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シリコーン造形シリーズ:番外編 「Blenderアドオンを作った」

·224 文字·2 分
GesonAnko
著者
GesonAnko
シリコーン造形シリーズ - この記事は連載の一部です
パート 4: この記事
Silicone Casting のサイドバーと、分割した型のモデル
Silicone Casting のサイドバーと、分割した型

TL;DR
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  • シリコーン造形用の 樹脂型をBlender上で作るアドオン「Silicone Casting」 を公開しました
  • マスターモデルから、壁付け・分割・ダボ・空気孔・STL出力を備える
  • 体積の計測、A剤・B剤の配合計算、着色剤の滴数から色を予測する機能もある
  • Blender 5.1以上で動作。GitHubから無料でダウンロードできる

はじめに
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みなさんこんにちは、GesonAnkoです。 今回はシリコーン造形シリーズの番外編として、自作したBlenderアドオンを紹介します。

第2回で「Blenderで樹脂型を設計する方法はそれだけでシリーズ記事になるボリューム」と書きましたが、実際に型を作るたびに同じ手作業を繰り返すのが大変でした。 マスターモデルに厚みを付けて、割って、合わせ位置を作って、空気の逃げ道を開けて…という作業を毎回手でやるのは骨が折れます。

そこで、この一連の作業をやりやすくするBlenderのアドオンを作りました。

インストール方法
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Blenderのインストール
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アドオンを使うには、まずBlender本体が必要です。動作要件は Blender 5.1以上(Windows / macOS / Linux)です。

Blender公式サイトのダウンロードページから、お使いのOS向けのインストーラーをダウンロードしてインストールしてください。Blenderは無料で使えます。

Blenderの基本操作(視点の回し方、オブジェクトの選択、Object ModeとEdit Modeの切り替えなど)はここでは割愛します。YouTubeや解説サイトにチュートリアルがたくさんあるので、探してみてください。

アドオンのインストール
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  1. GitHubのReleasesページから silicone_casting-<バージョン>.zip をダウンロードする(zipは解凍しない)
  2. Blenderで Edit > Preferences を開き、左の一覧から Get Extensions を選ぶ
  3. 右上の ∨ メニューから Install from Disk… を選び、ダウンロードしたzipを指定する
Preferences の Get Extensions から Install from Disk を選ぶ画面
Install from Disk... からインストール

インストール後は、3D Viewportで N キーを押してサイドバーを開き、Silicone Casting タブを選ぶと使えます。

3D Viewport のサイドバーに表示された Silicone Casting タブ
サイドバーの Silicone Casting タブ

Silicone Casting でできること
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アドオンの機能は大きく3つのパネルに分かれています。

パネル内容
Measurementマスターの体積計測と、A剤・B剤の配合計算
Coloring着色剤の滴数から、仕上がりの色と透明度を予測
Processing型の形を作る処理(壁、Boolean、分割、ダボ、空気孔、分離、STL出力)

型づくりの流れはこのようになります。

マスター、壁、分割、ダボ、空気孔、STL出力の順に型ができていく流れの図
型づくりの流れ
  1. マスターモデル(閉じたメッシュ)を用意する
  2. マスターの体積を測り、シリコーンの配合と着色を決める
  3. Inherit Shape でマスターの形を参照するオブジェクトを作り、Solidify で壁を付ける
  4. 必要なら Boolean で注ぎ口などを加工する
  5. Surface Cut で型を曲面で割る
  6. Separate Loose Parts で割れた塊を別々のオブジェクトにする
  7. Registration Keys で合わせ位置のダボを付ける
  8. Air Vents で空気孔を開ける
  9. Export STL でパーツごとにSTLを書き出す

以下、主な機能を紹介していきます。

体積の計測と配合計算
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Measure Volume で選択したメッシュの体積をmL単位で計測できます。マスターの体積=型の空洞の体積なので、これがそのまま必要なシリコーンの量になります。

Mixture Calculator に体積を入力すると、A剤・B剤それぞれの体積と重量を計算してくれます。

Mixture Calculator の画面
Mixture Calculator

第3回では「10Aシリコーンの比重は1.08g/mLなので、A剤とB剤をそれぞれ5.4gずつ計量すると10mL」と手計算していましたが、Density(密度)に1.08、Ratio(重量比)に1:1を入れておけば自動で計算されます。 パーツごとに行を分けられるので、複数の型に一度に流し込むときも便利です。

実は重要⚠️: 壁を測ると型自身の体積になる
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Solidifyで壁を付けたオブジェクトを測ると、壁だけの体積 が出ます。シリコーンの量を測るときは、マスターを選び直してから計測しましょう。

着色シミュレーション
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Color Mixing Simulator では、着色剤の色と滴数から、仕上がりの色と透明度を予測できます。

Color Mixing Simulator の画面
Color Mixing Simulator

着色剤ごとに Calibration Drops / mL(その色に見える濃度=シリコーン1mLあたりの滴数)を設定します。 第3回の結果でいえば、「まさる」は10mLあたり5滴で十分に発色したので、0.5くらいが目安になります。

予測した色は Apply to Selected でマテリアルとしてモデルに適用できるので、塗る前に完成イメージを確認できます。配合と色のレシピはJSONで保存・読み込みできます。

壁を付ける(Inherit Shape / Solidify)
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Inherit Shape は、マスターに手を加えずに同じ形のオブジェクト(<マスター名>.inherit)を作る機能です。マスターを編集すると .inherit も追従するので、後から形を直しても型を作り直す必要がありません。

この .inherit に Solidify で厚みを付けると、型の壁になります。

型を割る(Surface Cut / Separate Loose Parts)
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型を取り出すには、型を割る必要があります。Draw Surface Cut では、型の表面に線を描くだけで曲面の切断面を作れます。

Draw Surface Cut で型の表面に線を描いている画面
Draw Surface Cut で分割線を描く

平面で割れない複雑な形でも、分割線を自由に決められるのがポイントです。 切断はモディファイアとして付くので、切断面は後から調整できます。形が決まったら Separate Loose Parts で別々のオブジェクトに分けます。

ダボを付ける(Registration Keys)
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割った型を組み合わせるときの位置合わせ用に、凸(ピン)と凹(穴)のダボを付けます。クリックした位置に1組ずつ追加でき、ドラッグで移動もできます。

Registration Keys ツールでダボを配置している画面
Registration Keys でダボを配置する

円柱・先細り・角形の3種類から選べます。穴はピンより少し大きく作られるので(既定では片側0.15mm)、3Dプリントしてもはめ込みやすくなっています。

空気孔を開ける(Air Vents)
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シリコーンを流し込むとき、型の中に空気が残ると気泡や欠けの原因になります。Air Vents では、線を描いた場所に円い管状の空気孔を開けられます。

Air Vents で空気孔の線を描いている画面
Air Vents で空気孔を描く

STL出力
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最後に Export STL で3Dプリンター用のSTLを書き出します。モディファイアを適用した形がmm単位で出力されるので、そのままスライサーに読み込めます。

注目👀: 全選択に注意
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切断面や空気孔の管、Booleanに使ったオブジェクトはシーンに残ります。A キーで全選択してから書き出すと、それらもSTLに混ざってしまいます。書き出すパーツだけを選んでからExport STLを押しましょう。

各機能の詳しい使い方は、リポジトリのdocsにまとめています。

まとめ
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第2回で、シリコーン造形は機材に加えて樹脂型の設計スキルも必要になるのがハードルだと書きました。 このアドオンで、少しでもそのハードルが下がれば嬉しいです。

まだ v0.1.0 なので、不具合や要望があれば GitHubのIssue で教えてください。

シリコーン造形シリーズ - この記事は連載の一部です
パート 4: この記事