↓ メインコンテンツへスキップ
  1. ブログ/

シリコーン造形シリーズ:その4 「型を作成する」

·179 文字·1 分
GesonAnko
著者
GesonAnko
シリコーン造形シリーズ - この記事は連載の一部です
パート 5: この記事

TL;DR
#

  • 番外編で紹介したBlenderアドオン「Silicone Casting」で、直径20mmほどのシリコーンボール用の型 を作った
  • 流れは「マスターに壁を付ける → 注ぎ口と穴をBooleanで加工 → 型を割る → ダボを付ける → STL出力」
  • 操作の細かい流れは動画にまとめたので、記事では各工程のポイントを紹介する
  • 完成品のBlender・STL・スライサーのファイルも配布している

はじめに
#

みなさんこんにちは、GesonAnkoです。 前回の番外編で、Blenderで型を作りやすくするためのアドオンを作成しました。 今回はそれを使って、実際に型を作っていきます。

今回作るのは、直径20mmほどのシリコーンボールの型です。 球は形が単純なので、型づくりの流れを一通り確認するのにちょうどよい題材です。

作業の様子は動画にまとめました。Blenderの基本的な操作は動画を見ていただくのが分かりやすいので、記事では各工程で何をしているかを中心に説明します。

アドオンのインストール方法は番外編を参照してください。

配布ファイル
#

完成品のファイルはこちらです。手元で中身を確認したり、そのまま印刷したりできます。

型の構成
#

今回の型は、次の4つのオブジェクトを組み合わせて作ります。

オブジェクト役割
Targetマスターの球。Solidifyで壁を付けて型の本体にする
Base台座。型を平らな面に置けるようにする
Input注ぎ口。シリコーンを流し込む漏斗
Hole注ぎ口と球の空洞をつなぐ穴

最後に型を左右2つに割り、ダボで位置合わせできるようにします。

型を作る
#

1. マスターと台座を作る
#

UV球を追加して名前を Target にし、これをマスターにします。 続いて立方体を追加して Base とし、編集モードで薄く平たくして球の下に置きます。

Targetを選んだ状態で、サイドバー(N キー)の Silicone Casting タブから Solidify を押すと、球の外側に厚みが付いて型の壁になります。形が決まったら Apply Solidify で確定します。

球のマスターと平たい台座
球のマスター(Target)と台座(Base)

2. 注ぎ口を作る
#

円錐を追加し、上下を反転して漏斗の形にします。名前は Input としました。 注ぎ口にも Solidify で厚みを付けます。このとき Flip Direction にチェックを入れると、厚みが内側に付きます。

球の上に置いた漏斗形の注ぎ口
漏斗形の注ぎ口(Input)

3. 注ぎ口と空洞をつなぐ穴を作る
#

このままでは注ぎ口と球の空洞がつながっていないので、円柱を追加して Hole とし、注ぎ口の底から球の空洞まで届く位置に置きます。 X線表示(Alt + Z)にすると、内側の位置関係を確認しながら調整できます。

X線表示で注ぎ口と空洞の間に置いた円柱
注ぎ口と空洞をつなぐ穴(Hole)

4. Booleanでまとめる
#

Targetにサブディビジョンサーフェスを追加して球を滑らかにしたあと、Silicone Casting の Boolean パネルで各パーツをTargetにまとめます。

  • Base を Union(結合)
  • Input を Union(結合)
  • Hole を Difference(くり抜き)

どれもモディファイアとして追加されるので、元のオブジェクトを動かせば後から形を調整できます。

Booleanモディファイアで台座と注ぎ口をまとめたTarget
Booleanでまとめた型

5. 型を割る
#

型からシリコーンを取り出せるように、型を左右に割ります。 今回は球なので、平面で真ん中から割れば十分です。平面を追加して90°回転し、型の中心に置きます。

Surface Cut パネルで平面を切断面に指定し、Add Surface Cut を押すとTargetに切断が追加されます。

型の中心に置いた切断用の平面
切断面にする平面

Separate Loose Parts を押すと、割れた型が別々のオブジェクトに分かれます。名前は Target.Left / Target.Right としました。

左右に割った型の断面。球の空洞と注ぎ口が見える
割った型の断面

6. ダボを付ける
#

割った型を合わせるときの位置合わせ用に、Registration Keys でダボを付けます。 今回は先細りの Tapered Dowel(直径3mm)を選びました。片方の型の断面をクリックすると、その型にピン(凸)、もう片方にソケット(凹)が作られます。

型の断面にダボを配置している画面
断面をクリックしてダボを配置

空洞を囲むように3か所に配置しました。

3か所にダボを配置した型
3か所に配置したダボ

7. STLを書き出す
#

最後に、Target.Left と Target.Right をそれぞれ選んで Export STL で書き出します。 書き出すパーツだけを選んでから押すのがポイントです(番外編の「全選択に注意」も参照してください)。

スライスする
#

書き出したSTLをBambu Studioに読み込み、Bambu Lab P2SとPLA Basicで印刷します。 型の内側の面はそのままシリコーンの表面になるので、積層痕を目立たせないよう積層ピッチ 0.08mm High Quality で印刷しました。

Bambu Studioに左右の型を並べた画面
Bambu Studioでのスライス設定

印刷結果
#

印刷した型がこちらです。

PLAで印刷した左右の型。注ぎ口と球の空洞が見える
印刷した型

注ぎ口から球の空洞までつながった、左右の型を印刷できました。

まとめ
#

アドオンを使って、シリコーンボール用の型を作りました。 マスターに壁を付けて、注ぎ口と穴を足して、割ってダボを付ける、という流れは他の形でも同じなので、まずは球のような単純な形で試してみるのがおすすめです。

シリコーン造形シリーズ - この記事は連載の一部です
パート 5: この記事