TL;DR#
- FDM方式で印刷した型の積層痕を、やすりがけ → レジン塗り → やすりがけ → サーフェイサー の順で消す
- シリコーンには型の表面の質感がそのまま写るので、型の段階で表面を整えておくことが大切
- テストピースで「やすりがけの有無」と「つや消し / 光沢」の4パターンを比べたところ、レジンのあとにやすりがけをした方が 滑らかに仕上がる
- サーフェイサーを吹いたあとはゴミが付きやすいので、乾くまで保護しておくとよい
はじめに#
みなさんこんにちは、GesonAnkoです。 今回のテーマは、FDM方式の3Dプリンターで印刷した型の表面処理です。
シリコーンには、型の表面の質感がそのまま転写されます。 シリコーン造形シリーズその4でやったように0.08mmピッチで印刷すればかなり綺麗になりますが、それでも勾配が緩やかな場所などには段々ができてしまいます。 シリコーンは硬化したあとに追加工しにくいので、型の段階で表面処理をしておくことが重要です。
今回は、仕上がりの違う マット(つや消し) と 光沢 の2種類をやってみます。 なお、やすりがけ以降の工程は光造形方式で印刷した型にも使えます。小さい造形物なら、最初から光造形方式の3Dプリンターで型を作った方がよいかもしれません。
必要なもの#
- 耐水やすり:120番、240番、400番、600番(コーナンオリジナルのLIFELEXを使いました)
- さらに滑らかにしたい場合は、800番や1000番もあるとよいです
- 2液性のエポキシレジン:今回はSANAAAのエポキシレジン液を使いました
- 30mLのプラスチックカップ
- 使い捨ての筆
- サーフェイサー:GSIクレオスのMr.スーパークリアー(つや消し / 光沢)
- ニトリル手袋、保護メガネ、マスク
テストピースを用意する#
今回は効果を確かめるために、50mm × 50mm × 5mmの板をPLAのブラックで印刷しました。 ブラック系は、やすりの跡が見やすいのでおすすめです。
積層痕が分かりやすいよう、板を立てた向きで、あえて0.2mmピッチで印刷しています。

「レジンのあとにやすりがけをする / しない」と「つや消し / 光沢」の組み合わせで4パターンを比べるため、4枚印刷しました。

レジンを塗る#
下地を荒らす#
まずレジンの食いつきをよくするために、120番の荒いやすりで表面を削ります。 積層方向に沿って擦るとよいです。

レジンを混ぜて塗る#
レジンの主剤と硬化剤を混ぜます。塗る対象の大きさにもよりますが、2mLくらいの少量で足りることが多いです。

混ぜたレジンを、筆で薄く均一に塗りましょう。作業中は、レジンが肌や目に付かないようニトリル手袋と保護メガネを着けてください。

実は重要⚠️: なぜPLAにレジンを塗るのか#
積層痕をすべてやすりで消すのは現実的には相当しんどいです。(PLAは特に硬い) そこで、レジンで表面全体を覆って段差を埋め、細かい番手でも表面を整えやすくします。
硬化させる#
1日ほど置いて硬化させたものがこちらです。

積層痕は埋まりましたが、塗りムラによる凹凸が残っています。
やすりをかける#
比較のため、4枚のうち2枚だけにやすりをかけました。 240番 → 400番 → 600番の順に番手を上げています。

サーフェイサーを吹く#
レジンを塗っただけの板とやすりがけした板に、つや消しと光沢のサーフェイサーをそれぞれ吹きます。
作業は天気のよい日に屋外で行い、保護メガネとマスクを必ず着けてください。 1回吹いたら30分待ち、もう一度吹いて2度塗りにします。
結果#
4パターンの仕上がりがこちらです。




やすりがけした方が表面が滑らかになり、仕上がりがよくなりました。 レジンを塗っただけの板は、塗りムラの凹凸がそのまま残っています。
また、どの板にも小さなゴミが付いてしまいました。サーフェイサーを吹いたあとは、乾くまでゴミが付かないよう保護しておくとよいですね。
実際の型では#
先ほどまではわかりやすさのためにサンプルの印刷物でやりましたが、実際に型の表面処理を行ったものがこちらになります



まとめ#
FDM方式で印刷した型の積層痕を、レジン・やすりがけ・サーフェイサーで消しました。 レジンで段差を埋め、やすりで凹凸を整えてからサーフェイサーを吹くと、滑らかな表面に仕上がります。 作りたいシリコーンの質感に合わせて、つや消しと光沢を選んでみてください。
商品リンク#
- SANAAA エポキシレジン液
- GSIクレオス Mr.スーパークリアー:つや消し / 光沢